Noteのコピペです。あちらの方がリンクや画像があり見やすいと思います。
https://note.com/kanten620/n/n02ffc4fda610
今回は実際に組んでいるブイズδ3種を使ったデッキについて書くつもりでしたが、そのデッキの原型になっているレックウザのタイプの方がより有名で、比較もした方がいいと思ったのでまとめて紹介しようと思います。
タイトルがわかりづらくなってしまったかもしれませんがよろしくお願いします。
※記事内のデッキレシピ画像は「ポケモンカード旧シリーズ検索」さまを利用しています。文中の不明なカードもこちらで検索いただければと思います。
目次
デッキの概要
滋賀レックのデッキレシピ
戦い方
デッキ解説
派生形:ブイズδ単のデッキレシピ
ブイズδ単の解説
その他類型デッキの紹介
得意な相手と苦手な相手
Sレックの対策
まとめ
デッキの概要
いくつか細かい違いがあるのですが、一番スタンダードなタイプはポケモンを1匹だけ出して、大量のエネルギーとトレーナーをそのポケモンに使い続けて戦うというものです。他のデッキは程度の差はあってもポケモンを何体も出して戦わせるのが普通なので、このデッキは特殊な存在といえるでしょう。
特に鋼エネルギーとホロンエネルギーGLを4枚ずつつけて圧倒的な防御力を誇るのが特徴です。実際の場はこのシリーズ内でも異様な光景になり、見た目のインパクトも強いデッキです。
画像3
ホロンエネルギーWPによって特殊状態やエネルギーをはがすもの、ワザを封じるワザでも妨害されません。
常に1匹で戦い続けるのはメリットもあって、まずは相手のダイゴのアドバイスで1ドローしか引かせないというのが挙げられます。このシリーズではダイゴは最も強力なサポーターの1つでほとんどのデッキに入っているのでどの相手にも有効と言えます。またポケモンリバースやワープポイント、逆転!マジックハンドなどでバトル場から移動させることができないのもこのデッキの強みです。封印の結晶を解除できる手段をほぼ暴風のみに限定させることができ、戦闘用ではないポケモンをバトル場に呼び出したりエネルギーを付け替えさせたりして妨害させることも防ぐことができます。
その他サイドを先行されるというケースがほぼなく、負けてしまっても取られるサイドが1枚しかないため制限時間を設けていて、サイド差で勝敗や順位を決めるルールにも適性があることもメリットではあります。とはいえ時間無制限でサイドを6枚取りきる前提のデッキなので、それ頼りでもなく普通に戦えるデッキです。
このタイプのデッキは2006春の公式大会(PCG8まで)で使われ出し、続けてPCG9が出た夏の大会でも使用されました。優勝こそしていませんが複数か所で入賞しておりある程度有力なデッキだったと言っていいでしょう。ただし当時の状況としてはこのデッキの詳細を知っている人はかなり少なく、夏の大会が終わったあとに一般的にも知られるようになり、大きな公式大会はないものの各地で使われるようになった印象です(自分もそうでした)。DPシリーズに入ってすぐも少しは見られましたが、ポケモンexがなくなり持ち味を生かせなくなってきたことで使われなくなりました。特徴的なので知名度はありますが期間としては短いものだったと言えそうです。
ちなみになぜタイトルのような呼ばれ方をしているかですが、最初に大会でこれを使ったのが滋賀県のプレイヤーだったことと、使用者のイニシャルから(Shiga県/Sasugaさん)Sを取ったからです。滋賀レックとSレックは同じデッキのことを指しています。
これは当時のデッキが地域名をつけてよばれることが多かったのと、スピンテールのわるいバンギラスがすでに「滋賀バンギ」と呼ばれていたことにも関係しています。
この記事では文字数も少なく書きやすいのでSレック表記で進めていきますが、当時はこの呼び方が略称として適していたからそうなっていたものの、15年たった今でもそうとは限りませんし、デッキは好きなように呼べばいいと考えていますので各々にとって使いたい名前で呼べばいいと思います。
滋賀レックのデッキレシピ
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ポケモン:4枚
3:レックウザδ(PCG6水)
1:レックウザδ(PCG6雷)
サポーター・サーチャー:14枚
4:漂流者
1:ダイゴのアドバイス
1:ロケット団の幹部
2:クルミのリクエスト
1:マサキのメンテナンス
1:ホロンの研究員
1:アーロンの波導
1:ホロンの農夫
1:バトルサーチャー
トレーナー:20枚
4:ポケモンリバース
4:エネルギーリムーブ
4:きずぐすり
4:ふっかつそう
3:封印の結晶
3:そっくり!テレポーター
スタジアム:3枚
4:クリスタルビーチ
エネルギー:19枚
2:炎エネルギー
2:水エネルギー
2:雷エネルギー
4:鋼エネルギー
4:ホロンエネルギーGL
2:ホロンエネルギーWP
1:ホロンエネルギーFF
戦い方
概要にも少し書きましたがまずは水タイプのレックでスタートし、手番で基本エネルギーや鋼エネルギーを張り、「デルタサーチ」でホロンエネルギーもつけていきます。エネルギーを一通りつけ終わったら「オゾンフレイム」での攻撃に移るか、そっくり!テレポーターで雷タイプのレックに入れ替えて「パワーブロー」での大ダメージを狙っていきます。
対戦を通してダメージを受けたら「きずぐすり」や「ふっかつそう」で回復し、「ポケモンリバース」「エネルギーリムーブ」「封印の結晶」などを使って自分が大きなダメージを受けないように相手を妨害します。
雷タイプのレックしか初手にいなかった場合はやむを得ないのでそっテレで水レックに交換するか、ベンチに水レックを出して相手に雷レックを倒してもらいます。他にも初手の水レックを壁にしてベンチの2匹目の水レックにエネルギーを付けていくスタートもなくはありませんが、強みがなくなってしまうのであくまで原則としては場に1匹しか出さないようにします。
他に注意点としては早く攻撃しないと必ず負けてしまう相手以外では、必要なエネルギーが揃うまでは徹底してホロンサーチを使い続けることです。1ターンエネルギーをつけるのが遅くなってしまうとその後に受けるダメージも数ターン10ずつ多くなってしまうので結果的に回復カードが足りなくなってしまうことにつながります。序盤は厳しくてもめりはりをつけてプレイをした方がよい場合が多いです。
レックδをメインにしたデッキはいくつかありますが、いわゆるSレックはこのような2種類のレックウザδのみが入っていて、そっテレで入れ替えることを前提としたタイプのみを指していました。
デッキ解説
ポケモン
雷レックスタートの確率を下げるために水レックは最大の3枚を入れます。
サポーター
漂流者は1枚目は基本エネルギーと欲しいサポーター1枚をサーチできるため特に需要の大きいカードですが、基本エネルギーは1~2枚でもう不要になってしまうことがほとんどなので3枚目くらいからは不要になってしまうことも多いです。そのため4枚目でサーチできるカードが無いような一見無駄に多く見えるように入っていることが多いです。
ロケット団の幹部は序盤に相手の手札を流すのに強いことは確かですが、中盤以降は相手が6枚引けるのに自分が引ける枚数はどんどん減っていくので相性はあまりよくなく、他のデッキよりは少ない枚数になります。
このデッキはアーロンの波導という珍しいサポーターが入っています。鋼エネルギーをコストなしでサーチすることができます。ホロンの研究員はトラッシュする分下位互換のようにも思えますが、不要なポケモンを捨てて手札を圧縮したり速攻への緊急的な対策として2体目のレックをサーチしたりと差別化はできています。
他にはリムーブ対策としてツワブキや農夫が入っているのも個性的です。農夫は雷レックスタートしたのをそっテレした場合山に返す狙いもあります。
その他ドロー用のサポーターを入れて、バトルサーチャーで使い分けていきます。
トレーナー
ポケモンの道具はオレンの実か封印の結晶かの選択肢があります。封印が刺さらない相手にはオレンがあると回復量が増してやられにくくなりますが、ポケパワーを止めたい相手の場合は常に封印を貼り続けたいためオレンを貼る隙がなく腐ってしまうのでどういれるかは好みになります。
そっテレはサーチできませんし、初手雷で水に変更し、後でまた雷にすることも考えると複数枚必要です。水から水に変えて圧縮もできます。
その他のトレーナーはレックを補助できるものを満載させます。
スタジアム
このデッキはクリスタルビーチを入れることがほとんどです。基本的にこちらがサイドを先行するので相手のスクランブルエネルギーが働いてしまうし、封印の結晶がベンチに移動させられて解除されないのでポケパワーを封じるスタジアムはかぶってしまって無駄になってしまうことが多いです。
エネルギー
ホロンエネルギーの条件を満たす水・雷・炎を入れます。草と闘は役割がかぶるので入れないことが多いですが、ピンポイントな対策として入れることは考えられます。
鋼エネルギーは4枚必須で、ホロンエネルギーはGLは重ねて貼るので4枚、WPとFFはサイド落ち警戒程度の枚数でいいでしょう。
派生形:ブイズδ単のデッキレシピ
画像1
ポケモン:4枚
1:イーブイ(PCG4)
1:ブースターδ
1:シャワーズδ
1:サンダースδ
サポーター・サーチャー:14枚
4:漂流者
1:ダイゴのアドバイス
1:ロケット団の幹部
2:クルミのリクエスト
1:マサキのメンテナンス
1:ホロンの研究員
1:アーロンの波導
1:ツワブキのプロジェクト
2:バトルサーチャー
トレーナー:20枚
4:ポケモンリバース
4:エネルギーリムーブ
4:きずぐすり
4:ふっかつそう
2:オボンのみ
1:封印の結晶
1:どっきり!タイムマシーン
スタジアム:3枚
3:クリスタルビーチ
エネルギー:19枚
2:炎エネルギー
2:水エネルギー
2:雷エネルギー
4:鋼エネルギー
2:ヒーリングエネルギー
4:ホロンエネルギーGL
2:ホロンエネルギーWP
1:ホロンエネルギーFF
ブイズδ単の解説
水レックウザに酷似したワザを持つシャワーズδ、サンダースδ、ブースターδを使って戦います。
2006年当時もSレックが初登場した後から使われており、シャワーズのみ採用したタイプが何回か入賞しました。
以下Sレックと比較しながらデッキを見ていきます。
・ポケモン
イーブイのみを採用し、Sレックと同じように1体だけ出して戦います。相手にたねポケモンなしで引かせたくないなら最大4枚まで入れたいですが、デッキスペースを浮かせたいなら1枚にします。進化後もスペースを最大限削ったシャワーズ1枚から、サイド落ち警戒で複数枚、戦い方のバリエーションを増やすためにブースターとサンダースを入れるなど選択肢があります。このレシピは1枚ずつ入れています。
ホロンエネルギーの効果のため進化後に関係なく複数のエネルギーが入りますが、いずれの場合も相手のエネルギーを戻させて攻撃のテンポを遅らせるシャワーズが優先されます。
レックウザδと同じように1ターン目に「エナジーしんか」から進化後の「ホロンサーチ」で大量のエネルギーをつけて、必要なエネルギーが付ききったら「リターン~」でサイドを取りに行きます。
ブイズ型のメリットはまず初手に必ずイーブイが来ることで、レック単で雷レックが初手に来てしまう事故を防ぐことができます。エナジーしんかは鋼エネルギーも対象になり、ホロンの研究員で進化後をサーチすることもできるので初動でイーブイが倒されてしまうこと以外では安定して進化することはできます。
他にはホロンサーチに10ダメージがあり、2つ目のワザも3エネのため攻撃がわずかに速いことです。Sレックはオゾンフレイムが3ターン目にしか使えませんがこちらは2ターン目から使えるため、普通に戦ったら勝てない相手に対して序盤から攻撃を仕掛けて勝つチャンスを作りやすいです。
また弱点についてもこちらの方が優れていることが多く、ハイドロバリアこそありますがレックの無色弱点は相手に突かれやすいです。対してブイズは進化先を変えることで弱点を全く突かれないようにしやすいです。
・トレーナー
ブイズ型は進化カードで戦うため、オボンのみなどレックがつけられない道具を入れられるメリットがあります。
どっきり!タイムマシーンで進化先を変更することができます。初手で相手のメインポケモンがわからないときも多いためあると便利ですが、シャワーズのみの構築では不要です。
・エネルギー
ブイズのリターン系のワザは自分についているエネルギーを戻すコストがあり、基本的にデメリットですがヒーリングエネルギーを戻すことで繰り返し回復効果を得られます。長期戦になりやすいこのデッキにとってはかなり大きなメリットといえるでしょう。
このように色々な利点があるブイズ型ですが、レック型に比べて最大HPが低い・最大火力が低いといったデメリットもあります。特にパワーブローでダメージが大きく上がる差は大きく、ダメージ軽減や回復が得意な相手は厳しいです。ただしオゾンフレイムとの比較ではサンダースのベンチ攻撃やブースターの火傷を加味すれば決して負けていません。
その他類型デッキの紹介
他にもレックウザδを使ったものや似たようなデッキは色々考えられます。ここでは以前見たものや考えたものを紹介します。当時は色々な派生型に地域名や作成者の名前を付けて何とかレックと呼んでいたものが多数ありましたが、ほとんどのものが忘れ去られてしまっています……。
・水レックδ単
雷レックをデッキに入れず、水タイプのもののみ入れてオゾンフレイムで戦います。感触はシャワーズδ単に近いです。
イーブイと同じく種ポケモンをレック1枚のみにしてデッキスペースを空けるか、最大4枚まで入れて相手に引き直しのドローをなるべくさせないかの選択があります。
最大のメリットは初手が安定することで、Sレックのように雷レックスタートしたり、初手イーブイで何らかのロックを受けてエナジー進化できなかったりしてつまずくことがありません。他にもそっテレや進化カードを使わないのでデッキスペースがもっとも圧迫されないのもいいところです。
反面攻撃手段が単調でそこまで強くないところがデメリットで、相手によってはロックをかけていても殴り負けてしまうこともあります。
・マルマインex採用型
2色のレックδに加えてマルマインが入っていて、エネエネボンバーで加速させます。もとのSレックでは相手にサイドカードを取らせるところは余っていたので、相手にサイドを4~5枚取らせても問題ないところを利用できます。
マルマイン型も過去に複数のパターンがあって、レックウザを複数体出して最初は普通のデッキのように戦い、1匹目が気絶したらエネエネボンバーでその分のエネルギーを2匹目につけて戦うタイプや、基本的にはSレックと同じように1匹だけ場に出して戦い、カードが揃ったらビリリダマ+ふしぎなアメ+マルマインexを出して加速させるタイプもありました。
これらはエネルギーリムーブなどで剥がされても付け直すことができ、サポーターでエネルギーを捨てながら展開することで素早くエネルギーを付けられるメリットはありますが、代わりにSレック本来の動きに必要なスペースのどこかを削らないといけないので安定性や耐久力は落ちてしまっています。
・わるいハガネール型
ポケモンはイワークとわるいハガネールのみで、ホロンの娘など手札からエネルギーをトラッシュするサポーターを入れます。その他は大体Sレックと同じカードを採用し、動きもだいたい同じです。イワークはイーブイと同じ考えで1~4枚、ハガネールとR団のモンスターボールもそれぞれ1~4枚入れます。
最も大きなメリットはエネルギーを加速させるワザのダメージが大きいことで、悪エネルギーを4枚つけられれば60与えることができます。下のワザも100になり、レックウザのパワーブローとほぼ同じ打点になるので受けきられることはほぼないと言っていいでしょう。
最大HPも高く、イーブイよりも進化前のHPもかなり高いので安定感があります。またトラッシュから加速するのでリムーブ系にも強いのもメリットです。
このように一見するととても強そうですが、R団のモンスターボールを考えてもそっテレやエナジー進化ほどは確実性がなくハガネールにさせにくいことや、1ターンに2枚ずつ加速させるためにはエネルギーを捨てつつ手張りする2枚目も用意しなければならないなどハイリスクハイリターンなデッキになります。
なおわるいハガネールは汎用性の高いカードで、ハッサム単のように4-4の単構築にしたり、ライチュウδのように2種類以上のメインアタッカーを併用するデッキにも使えます。
得意な相手と苦手な相手
まず得意な相手ですが、「ハッサムex」「レックウザexδ」「ウインディex」といった100弱のダメージを与えてくるポケモンexが主体の相手です。鋼エネルギーとホロンエネルギーGLによってポケモンex相手には最大80ダメージ、そうでない相手には40ダメージ軽減することができます。攻撃力の低い相手であれば全くダメージを与えられなくなり、多少のダメージも回復カードを使えば相当長いターン耐えることができます。
他に「ヘルガー(PCG4)」や「ソーナンス(PCG5)」、化石デッキなど妨害や回復などをメインコンセプトにしているコントロール色の強い相手にも有利です。全くベンチを出さない関係で攻撃力の低いカードを相手に逆に利用されることがなく、特殊状態に頼る戦術もほぼ無効にできます。これらの相手は単純なダメージはあまり出せないことも多いのも好都合です。
またベンチへダメージをばら撒くような相手にもかなり有利に戦えるでしょう。
苦手なデッキはルギアexやレックウザexなど、鋼エネルギーがついたレックも一撃で倒せるような大きなダメージを出せる相手です。特に「エネルギーの数×」系のワザは厳しいです。
マルマインexの「クラッシュバーン」は色々なデッキに入っていて有用な対策になりますが、「暴風」を入れずに相手のベンチ移動のみで封印の結晶を対策している場合も多く、1枚ずつつけていくとリバースやリムーブで倒されてしまう場合もあります。
Sレックの対策
・構築での対策
まず考えられるのは鋼エネルギーのついたレックを倒せるカードを採用することです。できれば一撃で倒せるカード、難しければ軽い負担で半分(40ダメージ)以上を減らせるものが望ましいです。代表的なものは先にも挙げたルギアex(どれかの基本エネ+ホロンのポケモン1枚で200)、レックウザex(ドラゴンバースト、ホロンのポケモン2枚で160)です。実際にDP1~2が最新弾の環境ではほぼこのデッキの対策としてこれらのカードがタッチされていました。
確実に倒せるのは大きなメリットですがたねのexなので他の相手で初手できてしまうと大きな負担になってしまいやすく、ピンポイントの対策になりがちでデッキ自体が弱くなってしまう恐れがあります。またリバースやリムーブ、クリスタルビーチの妨害で失敗してしまうこともあり得ます。
他には「相手のエネルギーの数×」というワザも有効です。
ラルトスやキルリア・メタングなどは他にも優秀な種類があるため迷うところですが、追加のデッキスペースなしで対策することができます。対サーナイトは本来「かえんだま」も「ようじゅつ」も全く効かないため有利なのですが、進化前次第では不利になってしまうため構築段階で読み合いが発生しているといえるでしょう。
進化前ポケモンではない専用の対策として入れるには「ポケパークのラティアス」がHP70・無色1個・にげる1で最も優秀です。わずかに劣りますがミュウ(サイコウェーブ)でもいいでしょう。
これらの対策はたねexを入れるよりは初手のリスクが少なく、マルマインexから大量のエネルギーを1匹につけてくるデッキにも使え、ワザコストも軽い利点がありますが、必ずしも一撃で倒せるとは限らないデメリットはあります。しかしながら50前後のダメージを簡単に出せるだけでもSレック側からするとわずかなダメージも残しづらいため負担が大きく、決して無駄にはなりません。レック側にホロンGLを付けさせるとダメージが増えるため、exがメインのデッキに入れて両面から負担をかけるのがより有効でしょう。
「すべての効果に関係なく~」というワザも鋼エネルギー・ホロンエネルギー・ハイドロバリアすべてを無効化してダメージを与えられるので有効な対策です。これらは進化ポケモンが持っていることも多く、元のデッキにそれらが入っている場合は分岐先として入れることで初手に来ないようになり、他の相手でも腐りにくくなる期待は持てます。素で80ダメージが出せるポケモンが少ないのは残念なところですが、小さいダメージ+この対策の2発で倒すプランが取りやすくなりますし、いかりの結晶を入れることで80に達する場合も多いです。
またレック型のみの対策ですが、水晶のかけらや無色ポケモンのタッチも有効です。炎+FFやハイドロバリアで弱点は消えてしまいますが、封印の結晶を付けている間はハイドロバリアは消えますし、序盤に炎やFFから付けていく場合は他のエネルギーがつけられないため速攻を仕掛けやすくなります。実際に公式トーナメントでハッサム単に水晶のかけらを入れてSレックに勝った例もありました。それでも平均的にはSレックが有利とは思いますが、チャンスを作るという面ではありといえるでしょう。
・プレイングでの対策
特定の相手の対策カードを入れるスペースはないという場合は入っているカードで戦うことになります。
もともとルギアexなど一撃で相手を倒せるカードが入っている場合はそれらのワザが通るように対戦を進めるのが一番ですが、できない場合は「序盤から速攻を仕掛けてエネルギーが付ききる前に倒す」か「序盤は捨ててなるべくダメージが出せるポケモンを育て、終盤に幹部と併用して事故を狙う」のどちらかを狙うことになるでしょう。本来のデッキの動きで無い場合でもSレック相手に限り有効なプレイングもあります。
自分が前に記事にしたジュカインのデッキを例に挙げてみます。この構築では有効なカードが入っていないためSレック相手には基本的に不利ですが、勝つ可能性が多少でも上がるような方法を考えます。
「序盤から速攻を仕掛けてエネルギーが付ききる前に倒す」方法を選んだ場合はジラーチのメタルブロー、ピジョットのわしづかみやラティオス☆での弱点を狙いながらキモリを育てていきます。普通の相手ではジラーチやピジョットは攻撃には参加させませんが序盤から最もダメージの出せるカードなのでこの相手時特有の動きです。弱点はホロンFFやハイドロバリアで消えてしまいますが、FFと炎エネルギーを付けている間は他のエネルギーの付き方が遅いのでダメージが通りやすく、ハイドロバリアを働かせているときはこちらのマッハサーチが使えるためプレッシャーをかける意味でも有効です。ランターンで加速しそのまま攻撃することも考えられます。回復やリムーブが厳しいですが、絶えずダメージを与え続けることで倒すことを狙います。
「序盤は捨ててなるべくダメージが出せるポケモンを育て、終盤に幹部と併用して事故を狙う」方を選んだ場合は序盤はジラーチの星の願いやポワルンのデルタドロー、またはオゾンフレイムを1回耐えるポケモンを壁にしてピジョットとジュカインexにエネルギーを付けて育てていきます。普通に対戦する時と近いですが、中盤に半端に攻撃しても回復されるため初手以外にも展開用のポワルンを出しておいたり、幹部は最後まで使わずに残しておくなどして逆転の準備に専念するところが違います。終盤になって相手の残りサイド3からジュカインδと幹部→サイド1にされてまたジュカインδと幹部(カードのそろい方によってはサイド2でカメックスやトランスジュカインという流れもあります)というように手札事故を狙いつつ2~3回で倒せるダメージを与えて勝ちを狙います。他のデッキ相手のように1~2体で準備してからメインポケモンを出すのと比べ、幹部での事故狙いと自分の息切れをしないような立ち回りを意識します。
このデッキに限らずジラーチやピジョットは多くのデッキに入っているため、ある程度汎用性の高い戦い方だと思います。またポケボディーを持っておらず、無色弱点でないブイズやわるネールはどちらの対策もあまり有効ではないため十分差別化が図れることも言えるでしょう。
まとめ
今回のデッキタイプは事前の構築やメタ読みが大事で、実対戦でのプレイングの難度はあまりないため事前に練習しておけばミスを起こしにくいと思います。
対戦を繰り返すと少し単調に感じてしまうかもしれませんが、PCGシリーズの中でも個性のある構築や動きをするので1回試してみると面白いです!
※質問や感想などがありましたらTwitterのリプやDMか、質問箱(https://marshmallow-qa.com/kantenmagichand?utm_medium=url_text&utm_source=promotion)
までご連絡ください。なるべく対応します。
https://note.com/kanten620/n/n02ffc4fda610
今回は実際に組んでいるブイズδ3種を使ったデッキについて書くつもりでしたが、そのデッキの原型になっているレックウザのタイプの方がより有名で、比較もした方がいいと思ったのでまとめて紹介しようと思います。
タイトルがわかりづらくなってしまったかもしれませんがよろしくお願いします。
※記事内のデッキレシピ画像は「ポケモンカード旧シリーズ検索」さまを利用しています。文中の不明なカードもこちらで検索いただければと思います。
目次
デッキの概要
滋賀レックのデッキレシピ
戦い方
デッキ解説
派生形:ブイズδ単のデッキレシピ
ブイズδ単の解説
その他類型デッキの紹介
得意な相手と苦手な相手
Sレックの対策
まとめ
デッキの概要
いくつか細かい違いがあるのですが、一番スタンダードなタイプはポケモンを1匹だけ出して、大量のエネルギーとトレーナーをそのポケモンに使い続けて戦うというものです。他のデッキは程度の差はあってもポケモンを何体も出して戦わせるのが普通なので、このデッキは特殊な存在といえるでしょう。
特に鋼エネルギーとホロンエネルギーGLを4枚ずつつけて圧倒的な防御力を誇るのが特徴です。実際の場はこのシリーズ内でも異様な光景になり、見た目のインパクトも強いデッキです。
画像3
ホロンエネルギーWPによって特殊状態やエネルギーをはがすもの、ワザを封じるワザでも妨害されません。
常に1匹で戦い続けるのはメリットもあって、まずは相手のダイゴのアドバイスで1ドローしか引かせないというのが挙げられます。このシリーズではダイゴは最も強力なサポーターの1つでほとんどのデッキに入っているのでどの相手にも有効と言えます。またポケモンリバースやワープポイント、逆転!マジックハンドなどでバトル場から移動させることができないのもこのデッキの強みです。封印の結晶を解除できる手段をほぼ暴風のみに限定させることができ、戦闘用ではないポケモンをバトル場に呼び出したりエネルギーを付け替えさせたりして妨害させることも防ぐことができます。
その他サイドを先行されるというケースがほぼなく、負けてしまっても取られるサイドが1枚しかないため制限時間を設けていて、サイド差で勝敗や順位を決めるルールにも適性があることもメリットではあります。とはいえ時間無制限でサイドを6枚取りきる前提のデッキなので、それ頼りでもなく普通に戦えるデッキです。
このタイプのデッキは2006春の公式大会(PCG8まで)で使われ出し、続けてPCG9が出た夏の大会でも使用されました。優勝こそしていませんが複数か所で入賞しておりある程度有力なデッキだったと言っていいでしょう。ただし当時の状況としてはこのデッキの詳細を知っている人はかなり少なく、夏の大会が終わったあとに一般的にも知られるようになり、大きな公式大会はないものの各地で使われるようになった印象です(自分もそうでした)。DPシリーズに入ってすぐも少しは見られましたが、ポケモンexがなくなり持ち味を生かせなくなってきたことで使われなくなりました。特徴的なので知名度はありますが期間としては短いものだったと言えそうです。
ちなみになぜタイトルのような呼ばれ方をしているかですが、最初に大会でこれを使ったのが滋賀県のプレイヤーだったことと、使用者のイニシャルから(Shiga県/Sasugaさん)Sを取ったからです。滋賀レックとSレックは同じデッキのことを指しています。
これは当時のデッキが地域名をつけてよばれることが多かったのと、スピンテールのわるいバンギラスがすでに「滋賀バンギ」と呼ばれていたことにも関係しています。
この記事では文字数も少なく書きやすいのでSレック表記で進めていきますが、当時はこの呼び方が略称として適していたからそうなっていたものの、15年たった今でもそうとは限りませんし、デッキは好きなように呼べばいいと考えていますので各々にとって使いたい名前で呼べばいいと思います。
滋賀レックのデッキレシピ
画像2
ポケモン:4枚
3:レックウザδ(PCG6水)
1:レックウザδ(PCG6雷)
サポーター・サーチャー:14枚
4:漂流者
1:ダイゴのアドバイス
1:ロケット団の幹部
2:クルミのリクエスト
1:マサキのメンテナンス
1:ホロンの研究員
1:アーロンの波導
1:ホロンの農夫
1:バトルサーチャー
トレーナー:20枚
4:ポケモンリバース
4:エネルギーリムーブ
4:きずぐすり
4:ふっかつそう
3:封印の結晶
3:そっくり!テレポーター
スタジアム:3枚
4:クリスタルビーチ
エネルギー:19枚
2:炎エネルギー
2:水エネルギー
2:雷エネルギー
4:鋼エネルギー
4:ホロンエネルギーGL
2:ホロンエネルギーWP
1:ホロンエネルギーFF
戦い方
概要にも少し書きましたがまずは水タイプのレックでスタートし、手番で基本エネルギーや鋼エネルギーを張り、「デルタサーチ」でホロンエネルギーもつけていきます。エネルギーを一通りつけ終わったら「オゾンフレイム」での攻撃に移るか、そっくり!テレポーターで雷タイプのレックに入れ替えて「パワーブロー」での大ダメージを狙っていきます。
対戦を通してダメージを受けたら「きずぐすり」や「ふっかつそう」で回復し、「ポケモンリバース」「エネルギーリムーブ」「封印の結晶」などを使って自分が大きなダメージを受けないように相手を妨害します。
雷タイプのレックしか初手にいなかった場合はやむを得ないのでそっテレで水レックに交換するか、ベンチに水レックを出して相手に雷レックを倒してもらいます。他にも初手の水レックを壁にしてベンチの2匹目の水レックにエネルギーを付けていくスタートもなくはありませんが、強みがなくなってしまうのであくまで原則としては場に1匹しか出さないようにします。
他に注意点としては早く攻撃しないと必ず負けてしまう相手以外では、必要なエネルギーが揃うまでは徹底してホロンサーチを使い続けることです。1ターンエネルギーをつけるのが遅くなってしまうとその後に受けるダメージも数ターン10ずつ多くなってしまうので結果的に回復カードが足りなくなってしまうことにつながります。序盤は厳しくてもめりはりをつけてプレイをした方がよい場合が多いです。
レックδをメインにしたデッキはいくつかありますが、いわゆるSレックはこのような2種類のレックウザδのみが入っていて、そっテレで入れ替えることを前提としたタイプのみを指していました。
デッキ解説
ポケモン
雷レックスタートの確率を下げるために水レックは最大の3枚を入れます。
サポーター
漂流者は1枚目は基本エネルギーと欲しいサポーター1枚をサーチできるため特に需要の大きいカードですが、基本エネルギーは1~2枚でもう不要になってしまうことがほとんどなので3枚目くらいからは不要になってしまうことも多いです。そのため4枚目でサーチできるカードが無いような一見無駄に多く見えるように入っていることが多いです。
ロケット団の幹部は序盤に相手の手札を流すのに強いことは確かですが、中盤以降は相手が6枚引けるのに自分が引ける枚数はどんどん減っていくので相性はあまりよくなく、他のデッキよりは少ない枚数になります。
このデッキはアーロンの波導という珍しいサポーターが入っています。鋼エネルギーをコストなしでサーチすることができます。ホロンの研究員はトラッシュする分下位互換のようにも思えますが、不要なポケモンを捨てて手札を圧縮したり速攻への緊急的な対策として2体目のレックをサーチしたりと差別化はできています。
他にはリムーブ対策としてツワブキや農夫が入っているのも個性的です。農夫は雷レックスタートしたのをそっテレした場合山に返す狙いもあります。
その他ドロー用のサポーターを入れて、バトルサーチャーで使い分けていきます。
トレーナー
ポケモンの道具はオレンの実か封印の結晶かの選択肢があります。封印が刺さらない相手にはオレンがあると回復量が増してやられにくくなりますが、ポケパワーを止めたい相手の場合は常に封印を貼り続けたいためオレンを貼る隙がなく腐ってしまうのでどういれるかは好みになります。
そっテレはサーチできませんし、初手雷で水に変更し、後でまた雷にすることも考えると複数枚必要です。水から水に変えて圧縮もできます。
その他のトレーナーはレックを補助できるものを満載させます。
スタジアム
このデッキはクリスタルビーチを入れることがほとんどです。基本的にこちらがサイドを先行するので相手のスクランブルエネルギーが働いてしまうし、封印の結晶がベンチに移動させられて解除されないのでポケパワーを封じるスタジアムはかぶってしまって無駄になってしまうことが多いです。
エネルギー
ホロンエネルギーの条件を満たす水・雷・炎を入れます。草と闘は役割がかぶるので入れないことが多いですが、ピンポイントな対策として入れることは考えられます。
鋼エネルギーは4枚必須で、ホロンエネルギーはGLは重ねて貼るので4枚、WPとFFはサイド落ち警戒程度の枚数でいいでしょう。
派生形:ブイズδ単のデッキレシピ
画像1
ポケモン:4枚
1:イーブイ(PCG4)
1:ブースターδ
1:シャワーズδ
1:サンダースδ
サポーター・サーチャー:14枚
4:漂流者
1:ダイゴのアドバイス
1:ロケット団の幹部
2:クルミのリクエスト
1:マサキのメンテナンス
1:ホロンの研究員
1:アーロンの波導
1:ツワブキのプロジェクト
2:バトルサーチャー
トレーナー:20枚
4:ポケモンリバース
4:エネルギーリムーブ
4:きずぐすり
4:ふっかつそう
2:オボンのみ
1:封印の結晶
1:どっきり!タイムマシーン
スタジアム:3枚
3:クリスタルビーチ
エネルギー:19枚
2:炎エネルギー
2:水エネルギー
2:雷エネルギー
4:鋼エネルギー
2:ヒーリングエネルギー
4:ホロンエネルギーGL
2:ホロンエネルギーWP
1:ホロンエネルギーFF
ブイズδ単の解説
水レックウザに酷似したワザを持つシャワーズδ、サンダースδ、ブースターδを使って戦います。
2006年当時もSレックが初登場した後から使われており、シャワーズのみ採用したタイプが何回か入賞しました。
以下Sレックと比較しながらデッキを見ていきます。
・ポケモン
イーブイのみを採用し、Sレックと同じように1体だけ出して戦います。相手にたねポケモンなしで引かせたくないなら最大4枚まで入れたいですが、デッキスペースを浮かせたいなら1枚にします。進化後もスペースを最大限削ったシャワーズ1枚から、サイド落ち警戒で複数枚、戦い方のバリエーションを増やすためにブースターとサンダースを入れるなど選択肢があります。このレシピは1枚ずつ入れています。
ホロンエネルギーの効果のため進化後に関係なく複数のエネルギーが入りますが、いずれの場合も相手のエネルギーを戻させて攻撃のテンポを遅らせるシャワーズが優先されます。
レックウザδと同じように1ターン目に「エナジーしんか」から進化後の「ホロンサーチ」で大量のエネルギーをつけて、必要なエネルギーが付ききったら「リターン~」でサイドを取りに行きます。
ブイズ型のメリットはまず初手に必ずイーブイが来ることで、レック単で雷レックが初手に来てしまう事故を防ぐことができます。エナジーしんかは鋼エネルギーも対象になり、ホロンの研究員で進化後をサーチすることもできるので初動でイーブイが倒されてしまうこと以外では安定して進化することはできます。
他にはホロンサーチに10ダメージがあり、2つ目のワザも3エネのため攻撃がわずかに速いことです。Sレックはオゾンフレイムが3ターン目にしか使えませんがこちらは2ターン目から使えるため、普通に戦ったら勝てない相手に対して序盤から攻撃を仕掛けて勝つチャンスを作りやすいです。
また弱点についてもこちらの方が優れていることが多く、ハイドロバリアこそありますがレックの無色弱点は相手に突かれやすいです。対してブイズは進化先を変えることで弱点を全く突かれないようにしやすいです。
・トレーナー
ブイズ型は進化カードで戦うため、オボンのみなどレックがつけられない道具を入れられるメリットがあります。
どっきり!タイムマシーンで進化先を変更することができます。初手で相手のメインポケモンがわからないときも多いためあると便利ですが、シャワーズのみの構築では不要です。
・エネルギー
ブイズのリターン系のワザは自分についているエネルギーを戻すコストがあり、基本的にデメリットですがヒーリングエネルギーを戻すことで繰り返し回復効果を得られます。長期戦になりやすいこのデッキにとってはかなり大きなメリットといえるでしょう。
このように色々な利点があるブイズ型ですが、レック型に比べて最大HPが低い・最大火力が低いといったデメリットもあります。特にパワーブローでダメージが大きく上がる差は大きく、ダメージ軽減や回復が得意な相手は厳しいです。ただしオゾンフレイムとの比較ではサンダースのベンチ攻撃やブースターの火傷を加味すれば決して負けていません。
その他類型デッキの紹介
他にもレックウザδを使ったものや似たようなデッキは色々考えられます。ここでは以前見たものや考えたものを紹介します。当時は色々な派生型に地域名や作成者の名前を付けて何とかレックと呼んでいたものが多数ありましたが、ほとんどのものが忘れ去られてしまっています……。
・水レックδ単
雷レックをデッキに入れず、水タイプのもののみ入れてオゾンフレイムで戦います。感触はシャワーズδ単に近いです。
イーブイと同じく種ポケモンをレック1枚のみにしてデッキスペースを空けるか、最大4枚まで入れて相手に引き直しのドローをなるべくさせないかの選択があります。
最大のメリットは初手が安定することで、Sレックのように雷レックスタートしたり、初手イーブイで何らかのロックを受けてエナジー進化できなかったりしてつまずくことがありません。他にもそっテレや進化カードを使わないのでデッキスペースがもっとも圧迫されないのもいいところです。
反面攻撃手段が単調でそこまで強くないところがデメリットで、相手によってはロックをかけていても殴り負けてしまうこともあります。
・マルマインex採用型
2色のレックδに加えてマルマインが入っていて、エネエネボンバーで加速させます。もとのSレックでは相手にサイドカードを取らせるところは余っていたので、相手にサイドを4~5枚取らせても問題ないところを利用できます。
マルマイン型も過去に複数のパターンがあって、レックウザを複数体出して最初は普通のデッキのように戦い、1匹目が気絶したらエネエネボンバーでその分のエネルギーを2匹目につけて戦うタイプや、基本的にはSレックと同じように1匹だけ場に出して戦い、カードが揃ったらビリリダマ+ふしぎなアメ+マルマインexを出して加速させるタイプもありました。
これらはエネルギーリムーブなどで剥がされても付け直すことができ、サポーターでエネルギーを捨てながら展開することで素早くエネルギーを付けられるメリットはありますが、代わりにSレック本来の動きに必要なスペースのどこかを削らないといけないので安定性や耐久力は落ちてしまっています。
・わるいハガネール型
ポケモンはイワークとわるいハガネールのみで、ホロンの娘など手札からエネルギーをトラッシュするサポーターを入れます。その他は大体Sレックと同じカードを採用し、動きもだいたい同じです。イワークはイーブイと同じ考えで1~4枚、ハガネールとR団のモンスターボールもそれぞれ1~4枚入れます。
最も大きなメリットはエネルギーを加速させるワザのダメージが大きいことで、悪エネルギーを4枚つけられれば60与えることができます。下のワザも100になり、レックウザのパワーブローとほぼ同じ打点になるので受けきられることはほぼないと言っていいでしょう。
最大HPも高く、イーブイよりも進化前のHPもかなり高いので安定感があります。またトラッシュから加速するのでリムーブ系にも強いのもメリットです。
このように一見するととても強そうですが、R団のモンスターボールを考えてもそっテレやエナジー進化ほどは確実性がなくハガネールにさせにくいことや、1ターンに2枚ずつ加速させるためにはエネルギーを捨てつつ手張りする2枚目も用意しなければならないなどハイリスクハイリターンなデッキになります。
なおわるいハガネールは汎用性の高いカードで、ハッサム単のように4-4の単構築にしたり、ライチュウδのように2種類以上のメインアタッカーを併用するデッキにも使えます。
得意な相手と苦手な相手
まず得意な相手ですが、「ハッサムex」「レックウザexδ」「ウインディex」といった100弱のダメージを与えてくるポケモンexが主体の相手です。鋼エネルギーとホロンエネルギーGLによってポケモンex相手には最大80ダメージ、そうでない相手には40ダメージ軽減することができます。攻撃力の低い相手であれば全くダメージを与えられなくなり、多少のダメージも回復カードを使えば相当長いターン耐えることができます。
他に「ヘルガー(PCG4)」や「ソーナンス(PCG5)」、化石デッキなど妨害や回復などをメインコンセプトにしているコントロール色の強い相手にも有利です。全くベンチを出さない関係で攻撃力の低いカードを相手に逆に利用されることがなく、特殊状態に頼る戦術もほぼ無効にできます。これらの相手は単純なダメージはあまり出せないことも多いのも好都合です。
またベンチへダメージをばら撒くような相手にもかなり有利に戦えるでしょう。
苦手なデッキはルギアexやレックウザexなど、鋼エネルギーがついたレックも一撃で倒せるような大きなダメージを出せる相手です。特に「エネルギーの数×」系のワザは厳しいです。
マルマインexの「クラッシュバーン」は色々なデッキに入っていて有用な対策になりますが、「暴風」を入れずに相手のベンチ移動のみで封印の結晶を対策している場合も多く、1枚ずつつけていくとリバースやリムーブで倒されてしまう場合もあります。
Sレックの対策
・構築での対策
まず考えられるのは鋼エネルギーのついたレックを倒せるカードを採用することです。できれば一撃で倒せるカード、難しければ軽い負担で半分(40ダメージ)以上を減らせるものが望ましいです。代表的なものは先にも挙げたルギアex(どれかの基本エネ+ホロンのポケモン1枚で200)、レックウザex(ドラゴンバースト、ホロンのポケモン2枚で160)です。実際にDP1~2が最新弾の環境ではほぼこのデッキの対策としてこれらのカードがタッチされていました。
確実に倒せるのは大きなメリットですがたねのexなので他の相手で初手できてしまうと大きな負担になってしまいやすく、ピンポイントの対策になりがちでデッキ自体が弱くなってしまう恐れがあります。またリバースやリムーブ、クリスタルビーチの妨害で失敗してしまうこともあり得ます。
他には「相手のエネルギーの数×」というワザも有効です。
ラルトスやキルリア・メタングなどは他にも優秀な種類があるため迷うところですが、追加のデッキスペースなしで対策することができます。対サーナイトは本来「かえんだま」も「ようじゅつ」も全く効かないため有利なのですが、進化前次第では不利になってしまうため構築段階で読み合いが発生しているといえるでしょう。
進化前ポケモンではない専用の対策として入れるには「ポケパークのラティアス」がHP70・無色1個・にげる1で最も優秀です。わずかに劣りますがミュウ(サイコウェーブ)でもいいでしょう。
これらの対策はたねexを入れるよりは初手のリスクが少なく、マルマインexから大量のエネルギーを1匹につけてくるデッキにも使え、ワザコストも軽い利点がありますが、必ずしも一撃で倒せるとは限らないデメリットはあります。しかしながら50前後のダメージを簡単に出せるだけでもSレック側からするとわずかなダメージも残しづらいため負担が大きく、決して無駄にはなりません。レック側にホロンGLを付けさせるとダメージが増えるため、exがメインのデッキに入れて両面から負担をかけるのがより有効でしょう。
「すべての効果に関係なく~」というワザも鋼エネルギー・ホロンエネルギー・ハイドロバリアすべてを無効化してダメージを与えられるので有効な対策です。これらは進化ポケモンが持っていることも多く、元のデッキにそれらが入っている場合は分岐先として入れることで初手に来ないようになり、他の相手でも腐りにくくなる期待は持てます。素で80ダメージが出せるポケモンが少ないのは残念なところですが、小さいダメージ+この対策の2発で倒すプランが取りやすくなりますし、いかりの結晶を入れることで80に達する場合も多いです。
またレック型のみの対策ですが、水晶のかけらや無色ポケモンのタッチも有効です。炎+FFやハイドロバリアで弱点は消えてしまいますが、封印の結晶を付けている間はハイドロバリアは消えますし、序盤に炎やFFから付けていく場合は他のエネルギーがつけられないため速攻を仕掛けやすくなります。実際に公式トーナメントでハッサム単に水晶のかけらを入れてSレックに勝った例もありました。それでも平均的にはSレックが有利とは思いますが、チャンスを作るという面ではありといえるでしょう。
・プレイングでの対策
特定の相手の対策カードを入れるスペースはないという場合は入っているカードで戦うことになります。
もともとルギアexなど一撃で相手を倒せるカードが入っている場合はそれらのワザが通るように対戦を進めるのが一番ですが、できない場合は「序盤から速攻を仕掛けてエネルギーが付ききる前に倒す」か「序盤は捨ててなるべくダメージが出せるポケモンを育て、終盤に幹部と併用して事故を狙う」のどちらかを狙うことになるでしょう。本来のデッキの動きで無い場合でもSレック相手に限り有効なプレイングもあります。
自分が前に記事にしたジュカインのデッキを例に挙げてみます。この構築では有効なカードが入っていないためSレック相手には基本的に不利ですが、勝つ可能性が多少でも上がるような方法を考えます。
「序盤から速攻を仕掛けてエネルギーが付ききる前に倒す」方法を選んだ場合はジラーチのメタルブロー、ピジョットのわしづかみやラティオス☆での弱点を狙いながらキモリを育てていきます。普通の相手ではジラーチやピジョットは攻撃には参加させませんが序盤から最もダメージの出せるカードなのでこの相手時特有の動きです。弱点はホロンFFやハイドロバリアで消えてしまいますが、FFと炎エネルギーを付けている間は他のエネルギーの付き方が遅いのでダメージが通りやすく、ハイドロバリアを働かせているときはこちらのマッハサーチが使えるためプレッシャーをかける意味でも有効です。ランターンで加速しそのまま攻撃することも考えられます。回復やリムーブが厳しいですが、絶えずダメージを与え続けることで倒すことを狙います。
「序盤は捨ててなるべくダメージが出せるポケモンを育て、終盤に幹部と併用して事故を狙う」方を選んだ場合は序盤はジラーチの星の願いやポワルンのデルタドロー、またはオゾンフレイムを1回耐えるポケモンを壁にしてピジョットとジュカインexにエネルギーを付けて育てていきます。普通に対戦する時と近いですが、中盤に半端に攻撃しても回復されるため初手以外にも展開用のポワルンを出しておいたり、幹部は最後まで使わずに残しておくなどして逆転の準備に専念するところが違います。終盤になって相手の残りサイド3からジュカインδと幹部→サイド1にされてまたジュカインδと幹部(カードのそろい方によってはサイド2でカメックスやトランスジュカインという流れもあります)というように手札事故を狙いつつ2~3回で倒せるダメージを与えて勝ちを狙います。他のデッキ相手のように1~2体で準備してからメインポケモンを出すのと比べ、幹部での事故狙いと自分の息切れをしないような立ち回りを意識します。
このデッキに限らずジラーチやピジョットは多くのデッキに入っているため、ある程度汎用性の高い戦い方だと思います。またポケボディーを持っておらず、無色弱点でないブイズやわるネールはどちらの対策もあまり有効ではないため十分差別化が図れることも言えるでしょう。
まとめ
今回のデッキタイプは事前の構築やメタ読みが大事で、実対戦でのプレイングの難度はあまりないため事前に練習しておけばミスを起こしにくいと思います。
対戦を繰り返すと少し単調に感じてしまうかもしれませんが、PCGシリーズの中でも個性のある構築や動きをするので1回試してみると面白いです!
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